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榎枝 幹男; 小原 祥裕; Roux, N.*; Ying, A.*; Pizza, J.*; Malang, J.*
Fusion Technology, 39(No.2 Part.2), p.612 - 616, 2001/03
増殖ペブル充填層の有効熱伝導度は固定増殖ブランケットの設計において重要なパラメータである。IEAの国際協力協定のもとで、固体増殖グループのサブタスクとして、熱線法を用いた各国の候補増殖ペブルを実際に用いた有効熱伝導度の測定を行い、タスクを終了した。測定には、CEAのLiTiO,LiZrO、FZKのLiSiO、日本のLiOをサンプルに用い、425から750までの温度依存データと、圧力0.001MPaから0.2MPaまでの圧力依存データを取得した。えられたデータは過去のデータと一致し、幅広い条件ではじめてデータを精度よく明らかにした。また、得られたデータから、推定式の重要パラメータを決定した。これによって未測定の有効熱伝導度を精度よく推定することが可能となった。
菊池 茂人*; 黒田 敏公*; 榎枝 幹男
JAERI-Tech 98-059, 75 Pages, 1999/01
ペブル状の増殖材、増倍材が採用される増殖ブランケットの熱・応力解析では、ペブル充填層に特有な熱・機械特性、すなわち、ペブル充填層の伝熱特性が圧縮応力の状態により変化する特性や、せん断力により容易に破壊(流れ)が生じる等の粉体としての機械特性を考慮する必要がある。ここでは、地盤(土壌)解析に使用される弾塑性モデルの一つであるドラッカー・プラガー/キャップモデルを採用するとともに、熱・変位連成解析により伝熱特性の圧縮応力依存性を考慮して、定常時ITER増殖ブランケットの熱・応力解析を行った。解析に必要な、ペブル充填層の熱・機械データは、文献に記載されるペブル充填層の応力-ひずみ測定試験と熱特性測定試験の結果を基に評価した。解析により、現設計のITER増殖ブランケットは、温度の設計条件を満たすことを示した。
黒田 敏公*; 榎枝 幹男; 菊池 茂人*; 大森 順次*; 佐藤 真一*; 大崎 敏雄*; 古谷 一幸; 秦野 歳久; 佐藤 聡; 高津 英幸
JAERI-Tech 98-051, 71 Pages, 1998/11
トリチウム増殖材と中性子増倍材をいずれも微小球ペブル状として充填する設計となっているITER増殖ブランケットに対し、とくにペブル充填層の熱・機械特性に着目して汎用熱・構造解析コードABAQUSの特殊計算オプションを使用した熱・機械解析を実施した。また、耐高熱負荷が問題となる第一壁について、Beアーマとステンレス鋼構造材の接合部における熱応力履歴を弾塑性解析により求めると共に、これに基づいて、アーマ/構造材接合部における強度評価方法について検討した。さらに、増殖ブランケット・モジュールの製作に関し、第一壁及び冷却パネル、増殖材充填部等の各構成要素を個々に製作し、それらを組み合わせることを基本として各構成要素の製作方法及び全体組立手順を検討した。
原 重充*; 佐藤 聡; 榎枝 幹男; 高津 英幸; 吉田 利司*; 佐藤 克利*; 関根 勝久*
Fusion Technology 1998, 2, p.1333 - 1336, 1998/00
トリチウム増殖材及び中性子増倍材のペブル充填構造及び充填特性の把握は、ペブル充填型増殖ブランケットの開発において、重要課題の一つである。本研究では、増殖ブランケットのペブル充填層を模擬した容器を製作し、これに増殖材模擬ペブル及び増倍材模擬ペブルを加振充填して、そのペブル充填率、増殖材キャンの位置変動及び充填率分布の変化を高エネルギーX線CT装置により測定し、ペブル充填特性を評価した。
倉沢 利昌; 高津 英幸; 佐藤 聡; 森 清治*; 橋本 俊行*; 中平 昌隆; 古谷 一幸; 常松 俊秀; 関 昌弘; 河村 弘; et al.
Fusion Engineering and Design, 27, p.449 - 456, 1995/00
被引用回数:7 パーセンタイル:59.17(Nuclear Science & Technology)核融合実験炉(ITER,FER)で増殖ブランケットとして、セラミックスの層状構造ブランケットが採用されている。このセラミックスブランケットの設計および研究開発に関する最近の原研での研究成果を発表する。ブランケットの設計ではブランケット第1壁の冷却チャンネル中の冷却水停止時の温度上昇および熱応力の解析をおこなうと共に、冷却水の圧力損失の評価をおこなった。ブランケット設計を支援するR&Dではブランケット筐体の製作およびHIP接合部の機械試験を行い、実機製作への見通しを得ると共に有意義なデータベースを取得した。ペブル(Be)充填層の熱伝導度測定および増殖セラミックスの熱サイクル試験、構造材と増殖材の両立性試験後の引張試験データなどを評価解析して発表する。
石塚 悦男; 中道 勝; 河村 弘; 佐川 尚司; 神澤 徹*; 鈴木 達志*; 斎藤 実
Journal of Nuclear Materials, 212-215, p.881 - 884, 1994/00
被引用回数:2 パーセンタイル:28.09(Materials Science, Multidisciplinary)ペブル充填型ブランケットの充填層内の圧力損失を正確に予測するため、ペブル試料を用いてスイープガスによって生じる圧力損失を測定した。測定データは、粉粒体工学の分野で使用されているKozeny-Carmanの式と+25~-60%の誤差で一致した。また、100ppmまでの水分を添加して圧力損失を測定したところ、水分の影響はほとんどなかった。
中道 勝; 河村 弘; 佐川 尚司; 石田 敏勝*; 平田 慎吾*; 鈴木 達志*
JAERI-M 93-060, 30 Pages, 1993/03
増殖材領域温度の制御特性を評価する上では、トリチウム増殖材ペブル及び中性子増倍材ペブルの充填率と熱伝導率との関係についての評価が重要である。特に充填率は、水流等による機械的振動や熱サイクルによる熱膨張率差等の振動による影響を受ける。従って、本試験では、これらの振動を模擬し、充填率壁効果、充填率分布の再現性、充填率経時変化、充填率高温時変化について調べた。
吉田 浩; 榎枝 幹男; 長倉 正昭*; 小林 重忠*; 小沢 義弘*
Fusion Technology 1992, Vol.2, p.1547 - 1551, 1993/00
核融合ブランケット材(リチウムセラミックス,ベリリウム)の物性に関するデータは比較的豊富に蓄積されている。しかし、炉寿命の全期間にわたってブランケットが健全であることを保証するには、長期信頼性に関するデータが必要となる。報告者らは、ITERブランケット日本案(ペブル充填型多層構造)の設計を進めると共に本ブランケット運転条件下で想定される種々の工学的課題につき基礎工学的R&Dを実施した。発表内容を大別すると;(1)高充填密度ペブル充填層実現のためのペブルサイズ制御技術(LiO,LiZrO,LiSiO及びベリリウム)開発、(2)各種ペブルの熱機械的性質の安定性確証、(3)Be/増殖材、Be/構造材、増殖材/構造材の共存温度限界測定、(4)増殖材及びベリリウムの高温水蒸気反応とLOCA模擬試験、(5)増殖材質量移行量測定及び充填層熱伝導度への影響測定等である。
榎枝 幹男; 佐藤 聡; 倉沢 利昌; 高津 英幸
Proceedings of 15th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering, p.282 - 285, 1993/00
ITER増殖ブランケットとして、日本はペブル充填多層ブランケットを提案している。この型のブランケットの設計においては、増殖材,増倍材充填層の有効熱伝導度は重要不可欠な設計データの一つである。本研究では、実材料を用いて充填層有効熱伝導度の測定を行った。測定は、実材料である酸化リチウム,ベリリウムの1mm微小球約500ccを、外部加熱中心冷却式同筒型測定セルに充填し、ヘリウムガスを封入して行った。測定した結果、酸化リチウムについては、温度範囲約200C~650Cで約0.9W/mKの値が得られた。ベリリウムについても、温度範囲200C~450Cで既存の予測値と整合性のあるデータが得られ、ブランケット設計に必要不可欠な重要データを得ることができた。
中道 勝; 河村 弘; 佐川 尚司; 石田 敏勝*; 平田 慎吾*; 鈴木 達志*
FAPIG, 0(132), p.22 - 28, 1992/11
核融合炉の増殖ブランケット概念としては、トリチウム増殖材であるリチウム酸化物を直径1mm程度のペブルとして充填する方式が有望になっている。ペブルのブランケット容器への充填においては、核的特性及び熱流動特性の観点から、高密度かつ均一であることが要求される。本報告書は、微小球充填型方式ブランケットを対象として、増殖材の高密度及び均一充填技術の開発を目的とした試験研究についてまとめたものである。
榎枝 幹男; 吉田 浩; 平田 慎吾*; 石田 勝敏*
JAERI-M 92-104, 29 Pages, 1992/07
ITER用ブランケットとしてわが国が開発を担当しているブランケットは、1mmの増殖材、増倍材ペブルを各々独立に充填した充填層を交互に配置する構造となっている。このようなブランケットの熱的挙動は、ペブルの充填状態により大きく影響を受けるため、ITERの運転特性を考慮した安定性の高い充填層を実現することが必要である。標記試験装置は、実ブランケットを模擬したステンレス鋼製パネル試験体、アクリル製試験体、加振機及び計測系で構成され、工学規模の試験体による充填特性(静的及び動的特性)を把握し、ITERブランケットの設計及び製作に反映することが可能となっている。
黒田 敏公*; 吉田 浩; 高津 英幸; 関 泰; 野田 健治; 渡辺 斉; 小泉 興一; 西尾 敏; 真木 紘一*; 佐藤 瓊介*; et al.
JAERI-M 91-133, 191 Pages, 1991/08
国際熱核融合実験炉(ITER)の概念設計は、1990年12月を以て3年間に渡る活動を終了した。この報告書はITERの概念設計の内、トリチウム増殖ブランケットに対する日本の設計検討をまとめたものである。日本は従来よりセラミック増殖材(LiO)をペブル形状で充填するブランケットを提案している。本設計においては、中性子増倍材(ベリリウム)をやはりペブル形状とし、LiOペブルと混合して充填する方式および増殖材と増倍材の共存性が問題となった場合にこれを回避することを考えた分離充填方式(多層型)の2案について検討した。これらの構造概念を示すと共に、核および熱流動、強度特性に対する解析を実施し、トリチウムインベリ評価、製作性の検討を行った。正味トリチウム増殖比はいずれのブランケットも~0.8であり、外部からの供給と合わせ、ITERの運転に対するトリチウム燃料の供給を行える見込みである。
佐々 敏信
no journal, ,
日本原子力学会「トリウム原子力システム研究専門委員会」の主な活動の一環として、トリウム原子力システムの研究開発状況を把握するため、現在提案されているトリウム原子力システムについて、公開文献をもとに主要な性能や実現性の見通し等について調査した。トリウム資源が豊富なインドをはじめ、アジア,欧州,米国と世界の原子力利用国で研究が行われている。燃料には、ペブルまたは溶融塩(一部は高速中性子体系)が用いられている。炉心熱出力は、デモ炉やモジュラー炉級の数100MWから発電炉で最大約5GWまでの提案がある。実現性については、多くの提案が概念検討段階だが、一部に許認可を狙う概念や国内の環境影響評価が承認された概念もあった。